3回シリーズでお届けするSVPインタビューの第2弾。今回は、Skimlinksの初期メンバーである、エンジニアリング部門のシニアバイスプレジデント、タマス氏と、プロダクト部門のシニアバイスプレジデント、マット氏に、Skimlinksのテクノロジーについて語っていただきました。
タマス・シクザイ: エンジニアリング部門シニアバイスプレジデント。アプリケーションと製品の開発、収益化戦略、パブリッシャーやネットワークとの統合を担当。
マシュー・ピヴァール: プロダクト部門シニアバイスプレジデント。プラットフォームの構築、ネットワークの統合などに携わったのち、プロダクト部門のトップに。
パート 2: EコマースにAIを！Skimlinksのテクノロジーに迫る！
日本市場参入を支えるSkimlinksのテクノロジーについて教えてください。
タマス: Skimlinksは、特定のテクノロジーに依存せず、あらゆるプラットフォームで動作するツールを提供します。これにより、パブリッシャーはあらゆるチャネルで発信するコンテンツを容易にアフィリエイト化できます。
- Skimlinks JavaScript: インストールするだけで、サイト全体のリンクが自動的にアフィリエイトリンクに変換され、手間をかけずに収益化を実現。
- エディタツールバー : ブラウザ拡張機能。Google検索結果画面で広告主のアクティブなアフィリエイトプログラムを、また、広告主のサイトではコミッション料率を瞬時に確認することが可能。
- リンクラッパー: ソーシャルメディア、ニュースレター、Apple Newsなどへのアフィリエイトリンク挿入を可能に。
インフラについては、シンガポールにあるデータセンターを活用し、東南アジアと日本のユーザーに低遅延を実現しています。ユーザーにとって読み込み時間の短縮は重要です。トラフィックを自動的に最寄りのデータセンターへ繋ぎ、最適な速度を提供します。
シンガポールに加え、米国 (西海岸と東海岸) とヨーロッパ (西海岸) にデータセンターを配置し、世界中のユーザーに高速なパフォーマンスを提供しています。毎日インフラストラクチャを継続的に最適化し、JavaScript コードのパフォーマンスやサーバーの配置を調整することで、最高のユーザー体験を実現しています。
Taboola買収以降、ロンドン以外の拠点にもエンジニアリングチームを拡大し、各拠点の強みを活かした専門性を高めています。例えば、台湾チームは機械学習 (AI) の専門知識を持っています。
Skimlinks の製品にAI はどのように活用されているのですか？
タマス: 現在検討しているユースケースの一つは、商品のマッチングと代替品の提案です。現在ベータテスト中の技術を構築しており、広告主の在庫切れや商品価格の変更に対応するものです。例えば、広告主Aへのリンクボタンがある場合、同じ商品が広告主Bでも販売されていることがわかれば、自動的に広告主Aの横に別のボタンを追加するなどの、記事アップデートを自動で行います。Skimlinksがカバーする12億もの商品に対してこの機能を開発することはチャレンジングですが、そこでAIと自然言語処理が活躍します。
マシュー: データの正規化は、特に形式や構造が一貫していないさまざまなソースからのデータセットを扱う場合は困難になるからAIが必要になるのです。
タマス: 現在のベータ版は英語圏の国々を対象としていますが、将来的には日本を含む他市場への展開も視野に入れています。日本語のような言語の自然言語処理は、複雑な文法と文字体系を持つため特有の課題が存在しますが、より多くの現地の広告主と連携しデータセットを構築することで、確実な立ち上げを目指します。
日本ではデータセキュリティにどのように取り組んでいますか?
タマス: 日本に特化したものではありませんが、Taboola と同様の認証、つまり ISO 認証と SOC 準拠認証の取得を目指しています。これは、広範な文書を必要とする時間のかかるプロセスです。
マシュー: Taboola と協力する大きな価値は、彼らが各市場のプロセスを深く理解していることにあります。この緊密な連携により、統合を加速することができます。
Skimlinksにとって、データセキュリティは最優先事項です。私たちは、ヨーロッパでGDPRコンプライアンスを積極的に採用したアドテク業界の最初の企業の1つです。多くの企業がこの規制に当初は消極的でしたが、私たちはこれをユーザーのプライバシーを優先する機会と捉えました。Skimlinksの技術は、個人データの保管を必要としません。そのため、顧客情報の保護を最優先にすることができます。
Skimlinks はデータ保護に関して業界のフロントランナーであるといえますね？
マシュー: 重要なのはパブリッシャーとの信頼関係を築くことです。パブリッシャーを支援するために必要なもののみを追跡します。
タマス: 私たちはユーザーの追跡ではなく、ユーザーエクスペリエンスとパブリッシャーの収益化に重点を置いています。
